ラノベ作家のメモと戯言

ラノベ作家の相崎壁際です。第13回GA文庫大賞で「ガンガンGA特別賞」を受賞。デビュー作『どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる』は2巻まで発売中&コミカライズも連載中です。

第24回電撃大賞の評価シートが来た①

いやもうめっちゃ緊張した

昨日家から帰ってメールチェックしたら電撃の公式から「選評送りました」ってメールが届いてたんで、そりゃもう急いで応募したページにログインした。

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いやーついに来たか……って感じですよ。

思えばこの作品、書き始めたのが3月の頭だったから(2月いっぱいはファンタジア用の作品書いてた)、もう8か月経ってるんだな。

たぶんボンヤリとしたアイデアを思いついてメモ帳に書き留めたのが1月かそこらへんだった気がするので、そっから起算すると10か月。

こうやって選評が届くと、「あーこの作品も一区切りついたんだなあ」って感じになる。

 

 選評の中身1:総合評価

 で、肝心の中身なんだけど、流石に公開するのはアレなのでぼんやりとだけ書きます。

ぶっちゃけツイッターで評価シート晒してる人、たまに見るけどね。

たぶん特に問題ないんだけど、まあそれでもちょっと抵抗ある。

 

電撃では2次落ち以上の作品が評価シートをもらえるんですが、2次落ちと3次落ちでは編集さん2人の選評が、4次落ちと最終落ちでは編集さん5人の選評がもらえます(さらに最終落ちだと受賞を逃しても担当さんがつく)。

今回落選した作品は4次落ちなので、5人の編集さんから選評がもらえました。

 

評価はA、B+、B、B-、Cの5段階評価です。

「オリジナリティー」「ストーリー」「設定」「キャラクター」「文章力」の5つの項目をそれぞれ評価し、さらに総合評価もA~Cの5段階で評価されます。

 

結果から言うと、5人の編集さんの総合評価はB+が2つ、Bが2つ、B-が1つでした。

Cは無い代わりにAもなし。

 

うーん、まあパッとしませんね。

ちなみにこの評価は、2次~最終まで共通の尺度ではなく、2次選考落選作品は2次選考の段階での評価、4次選考落選作品は4次選考の段階での評価となります。

選考が進むにつれて段々とレベルが上がっていくわけなので、2次の時点ではA評価の作品でも、3次になるとB評価ということが起こり得るわけです。

もちろん、3次でA評価を受けた作品が4次で選考した編集さんからC評価を受けることもあるはず。

そういうときは「これ通したの誰だよ!シェフを呼べ~」「これを通したのはどこのどいつだコラァ!」みたいな感じになるんでしょうか。怖い。

 

この作品は4次で落ちてるわけなので、4次選考時点での評価としてはそんなもんですね。

Aばっかりだったら最終行ってるわけなので。

誰か1人でもA評価してくださる編集さんがいれば、「もうちょっとで行けたかも……?」的な期待が抱けたかもしれません。

ですが現実を見ると、まだまだこの壁を突き破るには何段かレベルアップしないといけないようです。

 

選評の中身2-1:各項目評価…ストーリー

次は各項目についての評価を見ていきます。 

評価を受けるのは「オリジナリティー」「ストーリー」「設定」「キャラクター」「文章力」の5項目。

ここの部分も各編集さんによってばらつきはありますが、俺の場合はB+~B-のうちに全て収まっていました。

 

うーん、またもやCも無ければAも無い……。

ザ・没個性。平均点の男。

 

個人的にはAの点があればCの点があっても十分喜べたんですが、A評価の項目が1つもないというのはちょっと心にくる。

たぶんそれなりには欠けてるんだろうけど、読んだ人の心をハッとさせるようなレベルのものが無い、という感じでしょうか。

最終に行った作品にはきっと、そういう読み手の心を動かす何かがある。

いかんなー。

どこかで「全部が平均点でまとまってる作品よりも、つたない点があっても一点突破してる作品の方がいい」的な言説を見たんだけど、それが事実なら俺の作品は結構厳しいっぽい。

 

ぐぬぬ……ちょっといろいろ考えなくては。

 

ああそうそう。さっき、各項目の評価は平均点ぐらいをうろちょろしてると書きました。

でも、ある程度は編集さんの評価から、今回の作品に対する評価の傾向が見えました。顕著ではないというだけで。

全員に共通していたのは「ストーリー」の項目はB+評価だったという点。

これは、「ストーリー」以外の項目が全てB以下だった編集さんでもそうだった(というか「ストーリー」のみB+評価でそれ以外の項目がB以下という編集さんが3名いらっしゃった)ので、それなりに信頼していい傾向です。

 

そうかあ……俺の作品、ストーリーに関してはそれなりに評価されてるっぽいです。Aじゃないけど。

めっちゃ嬉しい。にやける。

もう半分デビューしたみたいなもんじゃん。

こうしてすぐ天狗になるところがホントよくないな、俺。

まあそれでも今週中くらいは浮かれさせてください。

 

個人的な執筆のやり方として、ストーリーは大まかにだけ決めといて後は流れで、的な感じで書いちゃってます。

一応プロットは立てるんですが、実際に書いてると「いやここはこうしたほうが絶対面白いでしょ」「これやっぱよく考えると変だな。こうしよ」って感じで、どんどん当初の計画からズレていっちゃうんですよね。

本当はプロット通りにやりたいんだよ! 本当だよ!

ただ、書いてるとどうしてもね……これはたぶん、プロットを考えてる時間より執筆時間のほうが圧倒的に長いのが問題かもしれない。

 

ぶっちゃけた話プロットが練り切れてないくせに見切り発車するのが原因。

 

おおまかな流れはそこまで変わらないんですが、過程が全然予定と違っちゃってるとかよくある。

もちろん細部細部はそれなりに検証してます!

俺の足りない脳味噌でやってるので限界はあるけど……。

今回送ったのはミステリーなんだけど、根本的な破たんはそれほど起きてないんじゃないかな、と思う。たぶん。

 

まあその、行き当たりばったりだという批判もあるかと思いますが、これはそう……あれなんですよ。

……ライブ感ってやつ?

そう、ライブ感を大事にする作家なんですよ俺は。

小説は生き物。

キャラが俺の意向を無視して勝手に動き出したらもうどうしようもできないんでね。

作家は後から尻拭いをして歩くだけ。損な役回りです。

制御できない作家の実力不足というのも大いにありますがここでは目をつぶろう。

 

まーこんな感じで書いてるので、後から矛盾が出てきたら前のページに戻って該当する矛盾を打ち消す、って作業を何度か繰り返すことになる。

今回の作品もそんな感じでした。

ぶっちゃけ今回は終盤になってから「お! あれいけんじゃーん! やったろ!」的なノリで物語の根本を変える変更を突っ込んだため、かなりの大仕事になりました。

まあこの大修繕おかげで、全体としてはそんなに物語に破たん無く書き切れたのかなー、と今になって思った。

というか、この修繕作業が大きな失敗なくそれなりにできたんでしょう。

 

単純に考えて、やはり時間の余裕があったというのが大きい。

書き始めたのが3月の頭で、初稿を終えたのが3月の中旬だったかな?

そこから一週間くらい寝かせて3月下旬から改稿してたんだけど、それでも4月10日の締め切りまで二週間近くあったし。

そんくらいあったらまあ、それなりに構造的な手直しも丁寧にやれる。

ただ、誤字脱字は結構あったらしいですが……。

 

俺としてはこんなに時間に余裕を持って執筆できてることはほとんどなくて、実際今MF向けに書いてるやつも進捗ヤバい。終わらん。小人さん助けて状態。

ギリギリでいつも生きていたいから……。

いやほんとごめんなさい、今度から計画的に執筆します。

こうして改稿に時間かけられたらそこそこの結果がついてくるってのがわかったので、これはマジで心入れ替えないといけないなー。

とりあえず今月末のMFはもう神様にお祈りするしかない。アーメン。

 

 

いったんこれで切ります。三千字超えてるってマジか。ヤバイヤバイ言ってるMF応募予定の小説書けよ。

そろそろ電撃の評価シートが来そう

そろそろ24回の授賞式がありそう

去年は11月7日(月)だったらしいから、今年も日程があんまり変わらないならそろそろやるか、もう昨日やってるのかも(?)ってくらい。

授賞式当日の様子は公式がまとめて、写真付きでネットにアップされる。

去年のやつはこんな感じ。

dengekionline.com

うおー時雨沢恵一先生おる……今丁度「キノの旅」やってるね。好き。

選考委員だからそりゃいるんだけど、本当にこんな人たちが選考してるんだなーと思うとビビる。

しかも25回は三上延先生いるし。ビブリア面白いよ栞子さん可愛い。

 

授賞式の後は評価シート

んで、次は評価シートの番。

だいたい評価シートは授賞式の後にやってくるものらしいので、そろそろ俺の落選作についても評価シートが送られて来るはず。

うあー見たいんだけど見たくないなあ……。

いやー、まあ4次で落ちたってことは、通過して最終まで行った他の作品と比べると至らない点があったってことだ。

そこがどこなのか、それを知るためには評価シートを読まなきゃなんだけど、いやー自分の作品のどこがダメだったかを読むのはちょい辛い。

 

いや、他の人が作品を読んでくれてその評価が見られるってのは、基本的には嬉しいんだけどね?

心情と理性はいつも歩調が合うわけじゃないのですよ。

しかし、せっかくプロの編集さんが(しかも天下の電撃)俺の作品を読んで評価してくれるわけなので、めちゃくちゃワクワクしてる自分もいる。

4次落ちは編集さん5人の評価が返ってくるんだってよ? めっちゃ多いな。

もう嬉しいやら辛いやらドキドキやらで分裂状態っすよ。

 

そういえばちょっと前に自分の作品について、なんで落選したのか自分なりに考えたことがあった。

 

aizakikabegiwa.hatenablog.com

 

せめて自分の分析とそれほどかけ離れた感じの評価シートでなければ、自分で自分の弱点を把握できてたってことなのでちょっと嬉しい。

まあそれを書いてる作品に反映させなきゃ意味ないんだけどね……。

評価シート来ても今書いてる作品に反映できるかどうかは微妙だけど、できるだけのことはやってみようと思ってる。

 

第10回GA文庫大賞後期締め切りまで1か月

11月来るの早すぎ

新人賞の締め切りが来るたびにこんなこと言ってるな……。

恐ろしいことに、まだ投稿(予定)作品の完成が見えないままもう11月になってしまった。

いや、一応ラストまで考えてはあるんだけどね……。本文がなかなか書けない。

今までにない文体だからかなー。

応募作品は三人称で書いてるんだけど、実は三人称の作品を書くのは初めてだったりする。

これまでの作品は全部一人称だったんだよね。

章によって視点交代させたり、プロローグだけ別視点だったり、っていうのはやったんだけど。

ってことで、今現在慣れない三人称に結構苦戦してる感じです。

 

別に書けないってわけじゃないんだけどね……三人称だと登場人物の心情を書く際にいちいち「○○は~~と思った」って感じの書き方が多くなって、なにかにつけて心情を書きたくなってしまう病に冒された俺には難しい。

どうしても回りくどい書き方になっちゃうから、あんまり「○○は~~と思った」って書き方したくないんだよね。

まあ、三人称で回りくどくなるのも、結局のところ技量が足りてないのが問題なんですが。

そこのところはうまい三人称の小説を読んで、自分の中に吸収していくしかないっすね。

今のところは完全に実力不足なので、もっと勉強してかないと。

 

三人称視点にしたのにも一応理由があるんで、そこは譲れない。

なのでこっちがどうにか工夫して解決するしかない。

長い目で見ても、一人称でしか書けないってのは明らかに作品の幅が狭まっちゃうから褒められたことじゃないと思うし。

小説家としてもなるだけ、色んな作品が書けるタイプになりたいと思ってるので。

そういうタイプだと作者買いはされにくいかもしれないけど、色んな方面に層が持てていい……ような気がする。

結局、たくさんの人に自分の小説を読んでもらいたいってことなんだけど。

っていうか正直に言えばたくさんの人に買ってもらいたい。

最悪読まなくてもいいから買ってほしい。

誰かお金ください。

いや、そりゃ読んでくれるだけでうれしいけどね?

小説家として生きるにはお金が必要なんだよ。

できるだけ家から出ずに生きていたいんだよ。

家の外には危険がいっぱいだからね。

 

あんまり正直すぎるのも損するだけな気が最近してきたぞ……。

 

なんにせよ、GA文庫大賞は自分にとって勝手に思い入れを持ってる賞なので、できる限り納得いく作品を投稿したいものです。

人生で初めて書いた処女作を投稿したのが、丁度1年前の第9回GA文庫大賞後期だった。

結果は二次落ちだったけど、なんかその作品を書ききったときから、なんとなく「俺もやればいけるんじゃないか」っていう気になってる。

ある意味人生の転機と言っても良い賞。

そう言えばあの処女作は良い意味で性癖出しまくった作品だった。

まーそれまで小説書いたことない人間が小説書くなんて、よっぽど書きたい性癖が無ければ書けないよね(俺だけ?)。

またあんな感じの作品が書きたい。

っていうかそんな感じの作品を12月のMFに出そうかと構想中。

 

それじゃ。