ラノベ作家のメモと戯言

ラノベ作家の相崎壁際です。第13回GA文庫大賞で「ガンガンGA特別賞」を受賞。デビュー作『どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる』は2巻まで発売中&コミカライズも連載中です。

GA文庫大賞の一次落ち評価シートが返って来た

GA文庫大賞の評価シートを受領した

 

 

今日は仕事しながら全裸待機状態だったんだが、ぶっちゃけ家に戻ってPC確認するまでは「まーあそこちょくちょく延期とかあるからな」って思ってた。

そしたら予想に反してちゃんと届いてた。評価シート。

そう言えばまだ電撃の評価シートは受け取ってないから、これが通算二枚目の評価シートってことになる。

前回貰ったのもGA文庫で、そのときは処女作が二次落ちだった。

今回は一次落ちなので、前回よりも早い段階で落ちたわけだ。

まーそこはしょうがないよもう、今更考えたって仕方ねーさと流石に落選から一か月もすれば開き直れるもんで、別にショックっていうほどのことは無い。

 

俺の作品がそんなもんだった、それだけ。

 

気になる中身

で、早速ネット上でダウンロードしてPDFファイルを開いた。

 

少なくともGA文庫はこういう形式なんだが、他の新人賞では普通に郵送だったり新人賞のHPにアカウントを作ってそこから見る形式だったりする。

電撃なんかは後者の類っぽいが、まだ受け取ったわけじゃないのでよくわからん。

 

一次落ちの中でさらにA~Eの5段階で評価してくれるんだが、そっちは「C」だった。

「C」というのは「物語としての体裁は整っていますが、つたない部分が目立ちます」という段階で、まあそんなもんか、という印象。

ここの項目では文章力・表現力が3、それ以外の設定、キャラクター、ストーリー、作品構成力は2だった。

結構ボロボロなので多少凹みはしたが、そりゃ一次で落ちるよねって感じ。

それよりも注目したのは下読み(? 編集者さんかも)の人が書いてくれた講評。

まー正直ね、一次落ちなんだから大したこと書いてねーだろって思ってたんだが、予想を裏切って10行もじっくり書いてくれてた。

それでまた書いてある内容が優しい。

「おいおいそりゃいくらなんでもちょっと甘すぎるんじゃねーの、それじゃ腐れワナビがつけあがるぜ」っていうくらい。

流石にコピペは出来ないがざっと書くと

「流行の異世界転生物で読者を楽しませようっていう熱意はあった、その中で個性もあった」

「でも根本的に異世界転生物のこと理解してないよね、現世と転生後の世界であんまり境遇が変わらないなら異世界転生した意味が無いじゃん」

「そもそもこれ主人公の姿かたちが維持されてるんだから異世界転移だよね」

って感じでした。

なるほどおっしゃる通りで……俺は異世界転生物を読んだことがありません。

アニメだったら「このすば」だけは観たことがあるんだけど、それもカズマが転生した後の2期だけなんだよなー。

だからぶっちゃけ異世界転生はよくわからん。別に嫌いじゃないんだけどただ触れてこなかったというか。

「なんか流行ってるし、流行乗っとくのは大事だろ」って思ったらこれだよ。舐めすぎだって話。

 

ともあれGA文庫さん、俺の作品を読んでくれて、また貴重な講評もいただいてありがとうございました。

 

 

反省と感想

というわけで今回の評価シートについての反省と感想。

個人的には迂闊に異世界転生に手を出したことによりキャラクターの魅力が失われた点が問題だったと思ってたんだが、それ以前の問題だったんだなーと反省した。

よく知りもしないのに書くな、書くならそれなりに研究しろっていうことか。

やっぱ俺は異世界転生物における重要な魅力、「転生前と転生後の環境の変化」を理解してなかったんだな。

もう一つファンタジアで一次落ちしたやつもある(あっちは一次落ちだと評価シートが返ってこない)んだが、それも異世界転生物だった。

やっぱ慣れないフィールドで戦うのは分が悪いから、次はもっと自分の趣味嗜好に近いやつで勝負しよう。

異世界転生物を書くのはもうちょっと勉強してからということに。

 

重ね重ね読んでくださった下読みさん(編集者さん?)には感謝します。

ありがとうございました。

また後期で出しますので、そのときはよろしくお願いします。

次はもっと面白いやつを、通さざるを得ないようなやつを送ります。

異世界転生じゃないです。多分大分毛色が違うやつになります。

 

評価シートが返ってくるとやる気が倍増するのでいいっすね。

この三連休はがんばるぞい。

 

 

ラノベ新人賞の評価シートについて

評価シートとは

 


今日はライトノベル系新人賞の評価シートについて話そうと思う。

ほとんどのライトノベル系新人賞では、「一次選考を通過した作品」に編集部から「評価シート」というものが送られる。

中には「全応募作に」評価シートを送ってくれるところもある。

GA文庫大賞とか、オーバーラップ文庫大賞なんかがそう(2017年9月時点)。

この評価シートは「小説家になろう」とか「カクヨム」等の小説投稿サイトに投稿していないタイプのワナビにとって、自作に対する評価を得られるほぼ唯一のチャンスと言ってもいいと思う。

少なくとも俺にとってはそう。


どこかで自分と同じような小説家志望を見つけて、お互いに感想を言い合える仲になる人も居るかと思うが、俺にそんな度胸があれば今頃小説なんか書いてなかったような気が……。


評価シートは新人賞を通過するための処方箋

 


自分の作品を客観的に評価するのは、俺の経験からすると非常に難しい。

どうしても我が子かわいさが出てしまったり、恥ずかしくてとてもマトモに読み進められなかったり。

でも新人賞で受賞するには大勢の人に読んでもらうことになるので、客観的な視点からの評価を抜きにして受賞するのは無理。

だから、自作を誰かに評価してもらうことがうってつけの勉強法になるわけで。

勇気のある人なら仲のいい友達に見てもらうとか、2ちゃんのスレに晒すという選択肢もあるだろう。

ですが、多くの人は抵抗があるんじゃないかなあと思う。

特に社会人にもなると、あんまり友達と遊ぶようなことも少ないし、普段会ってる会社の人とはそんなに仲じゃないし。

そうなるとこの評価シートが外部から評価をもらえる、たった一つの手段になる。

しかもこの評価シートがもらえるということは、多くの場合そのレーベルの編集さんが作品を読んで評価をくれたということ。

大抵の新人賞では、膨大な作品を処理する必要がある一次選考は下読みに任せ、作品数の少なくなる二次選考以降は編集さんが目を通しているっぽい。

だから、その評価には一定の信頼が置ける。

というか、まさにその新人賞で選考する人の意見だから、そこで指摘された問題点を放置していてはそのレーベルで受賞できないだろう。

評価シートでは、「この点がこうであれば次の選考に通せた」という点を書いてくれる。

新人賞受賞を目指すにはうってつけの処方箋。

ただ、多くの新人賞で一次を突破しないともらえないのが難点だが。

これから初投稿を考える人は、全応募作に評価シートを送ってくれるところを調べて投稿するといいかもしれない。


何はともあれ評価シートをもらうのは嬉しい

 


俺の場合はまだ一回しか評価シートをもらったことが無いけど、評価シートが届いた時はとても嬉しかったのを覚えてる。

「自分以外の誰かが自分の作品を読んでくれて、しっかり評価してもらえる」それ自体がとても嬉しいんだよな。

我ながらちっちゃい奴だと思うが。


ともあれ、俺は8月に落選したGAと電撃の二つが評価シート待ち状態。

送られてきたらそれを基に小説の書き方を見直したいと思う。

作品がうまいこと改稿できそうだったら、どこか別の場所に送ってみるのもいいかもしれない。


それではまた。

第24回電撃小説大賞で4次落ちした話

何度も言ってるがこの前の電撃で四次落ちした

というわけで。

昨日から何回この話するんだっていう感じになんだが。

ツイッターでもちょくちょく言ってる。

3次通過作品の右側中段あたり。

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第24回電撃大賞 通過作品

 

この後四次選考で落選。

周囲の通過作タイトルと見比べてみるだけで名前負けしてる感じがあるな。

他の通過作が全部面白そうに見える現象。

なんなんだろう、これ。

 

タイトルに関して後悔してることが一つ。

下のスクショを見てほしい。

 

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そう。

『ダーティ・ワーク――カグリヤ浮島地区第三捜査課顛末書――』の「――」この部分!

この小説はOfficeのWordで書いたんだが、縦書きでタイトルを書くときに長音記号の長い奴二つ(――)を並べると、丁度切れ目が無く綺麗に見えたんだよね。

ところがいざ横書きで見ると微妙に途切れててダサいのなんの。

他の作品はしっかり「―」が一つだけだし。

恥ずかしい。

この点が選考に関係したはずはないんだが、選考結果とは関係なく美意識的な面で後悔してる。

 

あと「顛末書」ってなんだよ、自分でタイトル付けておきながら初めて聞いたよこんな言葉。

これでも結構悩んだんだけどね。

「始末書」だとなんか違う感じがしたし、「報告書」だと味気ないし。

はやみねかおる先生みたいに「事件ノート」でもよかったのかなーと今になって思う。

でもそれだとあんまりにも夢水清志郎をイメージし過ぎちゃうんだよな。

あの作品が自分の読書の入り口なので、めちゃくちゃ好きだし思い入れもあるので。

ちょっと畏れ多いって感覚があったのかも。

 

夢水清志郎事件ノート」面白いよ!

大人が読んでも楽しいと思う、亜衣ちゃん可愛いし今思えばレーチも可愛い。

亜衣ちゃんに電話を掛けるために宿敵の黒電話と対決するシーンとか大好き。

 

内容にも反省点が多々

で、肝心の内容なんだがまあ、見た通り「浮島」という場所を舞台にしたミステリというかサスペンス。

地球温暖化が進行して陸地に住めるのは一部の富裕層だけで、陸地からあぶれた多くの庶民は人工的に造られた浮島に追いやられているわけ。

そこの警察組織の中でも随分と冷遇されている離れ小島、第三捜査課に新任の若者が入ってきて唯一の上司と事件を解決していくという展開。

ぶっちゃけた話よくある設定なんだが(TVドラマの「相棒」とか好きだったから影響受けてるかも)、これでも色々とエンタメ要素を詰め込んでみたつもり。

 

四次まで残ったということは、それなりに評価してくれる人も居た、ということなので嬉しい限りだ。

自分の感性がそんなに間違ってなかったという免罪符を受け取った感じ。

ただもちろんのこと、最終選考に残すほどの評価は得られなかったわけだが。

 

自分なりに考えてみた理由としては

①SF苦手な癖に無理やりSF入れたから細部にほころびが出てる

②しかもそのSF設定が物語にあんまり活きてこない

③終盤が急展開過ぎる

こんなところかなと。

 

まず①ですが、ガチガチの文型人間である自分にとってそもそもSFってのは馴染みが薄い題材なわけで。

それなのに無理やり22世紀の未来を舞台にしたのはアレだよね、実際にある土地を舞台にすると資料集めが面倒くさいというか……。

怠慢ですね、ハイ。

こういう癖はマジで直さなきゃいけない。

図書館通おう、うん。

で、この作品は結構な突貫工事で書いた(というか夏休みの宿題をギリギリまでやらないタイプの自分が小説を書くとどうしても突貫になっちゃうんですが)細かい世界観にまで目が行き渡ってなかったんだよな。

書いてる最中にも何回か「あれ?」ってなったことはあるんだが、あんまり本筋に関係ないからと放置し続けた結果、つじつまの合わない個所が結構出てきてる。

そこも要改善。

 

次に②だが、ぶっちゃけた話、この小説の舞台が「浮島」である意味って何なんだ?という。

20世紀のアメリカでも全然いけるんじゃないの?という。

 

現代だと科学捜査とかが発達しすぎててちょっと無理だけど。

頭が悪いので科学捜査を念頭に置いたトリックが思いつけないんだよね。

だからホームズやポワロやクイーンが活躍していた時代の、ちょっとガバガバな推理ものになってる。

 

本当は登場人物全員ちょっとした顔見知りっていうような、スモールタウン的なものが書きたかった。

でも、いざ書いてみると風呂敷を広げ過ぎてとてもスモールタウンとはいかなかったんだよなー。

ここも反省点。

 

最後に③。

この話、終盤に結構な大事件が起きるんですが、その伏線が皆無。

あまりにも唐突にこれまでと毛色の違い過ぎる展開になるので、作者はそれでいいだろうけど普通に読んでる読者はどうなんだ、っていう感じ。

今になって思えばもうちょっと各章の合間に幕間を入れるとか、やりようがあったなーと。

まだまだ構成が未熟。

 

改稿して来年も出したい

 

こんな感じかね。

これを投稿前に気づければよかったんだが、まあ何事につけ手遅れになってから良策を思いつくもので。

個人的にも思い入れが大きい(というか諦めきれない)作品なので、大幅に改稿して25回に投稿するってことも考えてる。

基本は新作だけど。

 

はー、書きだしたらすっきりした。

まずは今月末のガガガをがんばろう。