ラノベ作家のメモと戯言

ラノベ作家の相崎壁際です。第13回GA文庫大賞で「ガンガンGA特別賞」を受賞。デビュー作『どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる』は2巻まで発売中&コミカライズも連載中です。

小説を書き始めてから受賞するまでの新人賞応募歴(落選歴)をまとめたやつ

受賞してから一か月、時が経つのが早すぎて怖い

その節は祝ってくださったり驚いてくださったり色々とありがとうございました(?)

なんやかんや受賞から一か月経ちましたが、ただただ時が過ぎるのが早くてビビり倒してます。締め切りに間に合わないので勘弁してほしい。既に編集さんに二回くらい土下座してるし(体感で)。

十月に三連休が無いの、あまりにも非人道的だと思うんですよね。誰か助けて!

 

まあそんな愚痴をこぼしつつも、編集さんとあれこれ話しながら受賞作のブラッシュアップなんかをしております。

新人賞に応募してた時期は作品のアイデアから本文執筆まで自分一人で完結させてたので、人の意見をもらいつつ書くというのは新鮮で面白いです。楽しいっすねこれ。

Twitterとかで下読みしてくれる相手を募集する人の気持ちがちょっとわかりました。

 

……そろそろ話題が尽きてきた。だいたい受賞したとはいえ刊行は数か月先なわけで、今の時点で告知とかないんですよね。

でも刊行予定とかイラストとか出るまでブログ放置ってのもなんかアレだし。なんやかんや月一くらいで動かしたい気持ちがあります。(十二月は「今年もありがとうございました」、一月は「今年もよろしくお願いします」でいける)

 

何かないかなと考えた結果、小説を書き始めてから受賞するまでの応募歴をまとめることにしました。

ブログのコメントで「久しぶりに訪れたら受賞しててびっくりしました」というのがあって、あー確かに、「○○大賞に応募しました!→落選しました……」の流れが様式美になってたもんなと思いまして。嫌な様式美だ。

需要あるのかどうかは知らん。まあブログなんて自己満ですしいいんですよ。

 

応募歴(落選歴)のざっくりまとめ

自分が小説を書き始めたのが2016年11月で、同月締め切りだった第9回GA文庫大賞後期に応募しました。

そっから3年半後、2020年5月締め切りの第13回GA文庫大賞前期に応募した作品で受賞(受賞発表は2020年9月末)です。

 

2016年11月~2020年5月までの応募歴をまとめると、一次落ち11回、二次落ち7回、三次落ち1回、四次落ち1回、最終落ち1回、受賞1回です(複数応募や使い回しなどの重複有り)。応募した作品の半分くらいは一次で落ちてますね。つら……。

書き始めから受賞までの間、公募サイズの長編を合計15作書きました(改稿や使い回し、趣味短編を除く)。

 

まーざっくり上の部分だけ読めば十分です。これより下はだいぶ長いわりに中身がない自分の感想を並べてるだけなので。

以下、時系列順です。

2016年

11月締め切り:第9回GA文庫大賞後期
(二次選考落選)

処女作です。ラノベ作家になりたいけど最後まで書きあげられない主人公がJCラノベ作家に弟子入りするとかそんな感じ。(これ書くやつ、絶対人生に疲れてるだろ……)

振り返ってみれば「お前、処女作でよく作家モノ書く気になったな」という感想ですが、まーこういうのは勢いですからね。

いま思えば日和らずにJSラノベ作家にしとけばよかったと思う。(そこ?)

 

2017年

 2月締め切り:第30回ファンタジア大賞後期
(一次選考落選)

剣の達人が異世界転生する話でしたが、我ながら微妙な出来だった記憶。だいたい異世界転生モノとかファンタジーに馴染みがないのに手を出すから……そもそも剣道の経験もないし……。

 

2017年4月締め切り:第24回電撃小説大賞
(四次選考落選)

ちょっと特殊な舞台設定での連作短編ミステリー&バディ物。今振り返ってもかなり好きな作品です。もともとミステリー畑で育った人間なのでこういうのも好き。電撃には一貫してMW向けっぽい話を書いてました。

この作品が四次選考まで行ったのでしばらくアホみたいに調子に乗ってたんですが、こっから一年以上、怒涛の一次落ちをかまします。

 

2017年5月締め切り:第10回GA文庫大賞前期
(一次選考落選)

どういう話だったかな……ブラック企業の社員が異世界転生して魔王城で働く話だった気がする。話はアレだったけど、ヒロインはちょっとかわいかったんじゃないかな。あっさり一次落ち。

 

2017年9月締め切り:第12回小学館ライトノベル大賞
(一次選考落選)

マジで記憶がない、というかあんまり思い出したくない出来の作品。思い出そうとすると背中に嫌な汗をかくので、忘れてる方が幸せなのかもしれん。ラブコメ(のつもりだった)。余裕の一次落ち。たぶん下読みの方も読みながら頭抱えてたと思う。

 

2017年11月締め切り:第10回GA文庫大賞後期
(一次選考落選)

記憶はあるけどあまり思い出したくない作品。戦争モノだった。あー……自分の筆力と構成力の無さを考えて欲しい。今でもこのアイデアで上手いこと書ける気はしません。貫禄の一次落ち。もはや一次落ちしたところで動じません。凪の精神です。(嘘、会社で発表見て普通に凹んだ)下読みの方も読みながら虚ろな目をしてたと思う。

 

2017年12月締め切り:第14回MF文庫Jライトノベル新人賞
(4作使い回し、2作が一次選考落選、2作が二次選考落選)

年末だし、これまでの落選作を供養するかーってノリで四作使い回しました。

第9回GA文庫大賞後期と第10回GA文庫大賞前期に出したやつが二次まで残り、第30回ファンタジア大賞後期と第12回小学館ライトノベル大賞に出したやつが一次落ち。

 

2017年、電撃まではよかったんですがそれ以降の新作はことごとく一次落ち。使い回しでしか一次を突破してない。

2018年に入っても一次落ちは続きます。

 

2018年

2018年4月締め切り:第25回電撃小説大賞
(2作、どっちも一次選考落選)

一つはミステリーっぽい群像劇(「バッカーノ!」に憧れた感じのやつ)、もう一つは離島を舞台にした青春SF(ミステリー風味)でした。

ここら辺になると流石に一次落ちしすぎてヤベーなって思い始めてた。「電撃小説大賞、頼む……自分を救ってくれ……!」と願いながら応募しましたがあっさり一次落ち。救ってくれと言われても困るだろ。

 

2018年5月締め切り:第8回講談社ラノベ文庫新人賞
(使い回し、二次選考落選)

ひょっとしたら複数使いまわしたかもしれないけど記憶が曖昧。二次まで行ったのは第9回GA文庫大賞後期に応募したやつで、一年半前の作品にすがってた自分に涙を禁じ得ない。いい加減あきらめてほしい。

 

ここら辺になると自分に才能がないことも十分わかったので、ネットの友人からオススメされたものや話題作を中心にいろんなラノベを読みました。

これまでラノベ書いてる癖にあまりラノベを読んでこなかったのですが(バカ)(ラノベ原作のアニメは観てた)、夏ごろにようやく「自分、ラノベのラブコメが好きかも」と気づきました。思えばこれが大きかったのかな。

 

2018年9月締め切り:第13回小学館ライトノベル大賞
(使い回し、一次選考落選)

電撃に応募した離島のSF青春ミステリーのやつですね。「頼むぞガガガ……」と祈りつつ応募したけどやっぱり一次落ち。多少自信があったのでガックリきた。

 

2018年11月締め切り:第11回GA文庫大賞後期
(最終選考落選)

4月の電撃以来、およそ半年ぶりに書きあげた新作です(実はこの間にも二作くらい書こうとしたけど「いや待て、これはどっからどう読んでもつまらんだろ……」となって途中で断念してた)。

魔法が使えるヒロインと一般人の主人公が少しずつ仲を深めていく話。

当時は自分なりに考えた「ラノベの基本」を意識して、とにかく丁寧に書こうとしてた気がします。ずーっと新作が一次落ちを続けてたので、どうにか一次を突破して二次まで行ってほしい一心でした。そしたら二次も三次も通過して最終まで行っちゃったので、我ながら不思議。

結局は最終で落ちたけど、すごく自信になりました。「こっちの方向でいいのかも」というのが見え始めたというか。

 

2019年

2019年4月締め切り:第26回電撃小説大賞
(一次選考落選)

GA最終落ちの次に書き始めた新作。二十代の小説家ヒロインと同居人のミステリー&バディ物。そこそこ自信があった(嘘、本当は受賞する気しかしなかった)けど例年通り一次落ち。

当時は自信があったけど、思い返してみれば一次落ちしても仕方なかったかな……いや、でも一次は通ってよかったと思う……なんなら三次選考くらいまで行っても(未練がましい!)。

 

2019年5月締め切り:第9回講談社ラノベ文庫新人賞
(使い回し、一次選考落選)

えー、これは第11回GA文庫大賞後期で最終落ちした作品を使いまわしたところ、あっさり一次落ちしたというやつですね……。

地味な話だったのは間違いないし、意外とショックは少なかったかもしれない。一次は水物だから仕方ないと割り切りました。Twitterでは少し愚痴ったかもしれないけど。

あと、「次に書く作品が前に書いた作品より面白くなる」って感触があったのも、精神衛生上よかったかも。これを最後に過去作の使い回しはしてません。

 

2019年5月締め切り:第12回GA文庫大賞前期
(二次選考落選)

最終落ちを経て、満を持してラブコメで再挑戦。ちょっとエキセントリックで隠された秘密があるヒロインと普通の男子高校生があーだこーだするやつ。残念ながら二次落ち。でも方向性はだいぶ今の自分に近いです。

 

2019年8月締め切り:第33回ファンタジア大賞前期
(三次選考落選)

ちょっと自分のコメディがどれほど通用するか気になって、コメディに注力して一本書いてみた作品。文化祭が舞台の群像劇で、みんなバカでズレてるけど一生懸命それぞれの目標に向かって突き進む感じの話でした。三次で落ちたけど我ながら好き。

 

2019年11月締め切り:第12回GA文庫大賞後期
(二次選考落選)

訳ありのヒロインに根暗主人公が無理やり付き合わされる系のラブコメ。好きな感じだけどいろいろな点があと一歩だったかなー。残念ながら前期と同じく二次落ち。でも前回より少しうまく書けた手ごたえはあった。

 

2020年

2020年4月締め切り:第27回電撃小説大賞
(二次選考落選)

高校が舞台のボーイミーツガール&ライトミステリー。青春要素もあり、ミステリー部分もちゃんとしてたし(当社比)、何よりヒロインが可愛い!最高!

実はこれ、ウルトラスーパー自信作でした。応募したときは本気で「これは行った(受賞した)だろ……」って確信してたし、一次通った時には「やっぱりねー、この作品は大賞級だからね」ってアホほど調子乗ってた。

なんなら受賞スピーチとか講評ページに載るコメントとか考えちゃってたよ。映画化された時に出すコメントとかどうしよう、とか要らん心配までしてた過去の自分が恥ずかしすぎるし哀れすぎる。誰か救ってやってほしい。

残念ながらあっさり二次落ち。「うそ!?何で!?」って叫んじゃった。……なんで?(まだちょっと納得してない!)

 

2020年5月締め切り:第13回GA文庫大賞前期
(受賞)

これもかなり自信作でした、ウルトラスーパーかどうかはわかんないけど。自分の好きなものを詰め込んだ上で、かつて最終に残ったやつより面白い作品になったと感じてました。

ずっと「これは行けるだろ、頼むぜ」……って祈ってたけど本当に電話来た時はビビり倒してだいぶ気持ち悪い応対しちゃったと思う。編集さんすみません。

内容について触れるのは刊行前なのでアレかもしれないんですが、以下の結果発表ページを見ると「不思議な力を持つヒロインとの高校生活やり直しコメディ」らしい。刊行が楽しみですね。

ga.sbcr.jp

 

ってなわけで鮮やかに告知(?)をして終わりです。

最終的には受賞出来たものの、見返すと相当落ちてますね。新作の半分くらいは一次落ちしてる。途中であきらめなくてよかったなーマジで。(2018年の春~夏ごろはちょっと危なかった)

特になんかの参考になるわけではないですが、まーたくさん落ちてても色々考えつつ書いてたらそのうち受賞できることもあるんだな、くらいに思ってもらえれば。

 

それではまた。