ラノベ作家のメモと戯言

ラノベ作家の相崎壁際です。第13回GA文庫大賞で「ガンガンGA特別賞」を受賞。デビュー作『どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる』は2巻まで発売中&コミカライズも連載中です。

ラノベ新人賞の評価シートについて

評価シートとは

 


今日はライトノベル系新人賞の評価シートについて話そうと思う。

ほとんどのライトノベル系新人賞では、「一次選考を通過した作品」に編集部から「評価シート」というものが送られる。

中には「全応募作に」評価シートを送ってくれるところもある。

GA文庫大賞とか、オーバーラップ文庫大賞なんかがそう(2017年9月時点)。

この評価シートは「小説家になろう」とか「カクヨム」等の小説投稿サイトに投稿していないタイプのワナビにとって、自作に対する評価を得られるほぼ唯一のチャンスと言ってもいいと思う。

少なくとも俺にとってはそう。


どこかで自分と同じような小説家志望を見つけて、お互いに感想を言い合える仲になる人も居るかと思うが、俺にそんな度胸があれば今頃小説なんか書いてなかったような気が……。


評価シートは新人賞を通過するための処方箋

 


自分の作品を客観的に評価するのは、俺の経験からすると非常に難しい。

どうしても我が子かわいさが出てしまったり、恥ずかしくてとてもマトモに読み進められなかったり。

でも新人賞で受賞するには大勢の人に読んでもらうことになるので、客観的な視点からの評価を抜きにして受賞するのは無理。

だから、自作を誰かに評価してもらうことがうってつけの勉強法になるわけで。

勇気のある人なら仲のいい友達に見てもらうとか、2ちゃんのスレに晒すという選択肢もあるだろう。

ですが、多くの人は抵抗があるんじゃないかなあと思う。

特に社会人にもなると、あんまり友達と遊ぶようなことも少ないし、普段会ってる会社の人とはそんなに仲じゃないし。

そうなるとこの評価シートが外部から評価をもらえる、たった一つの手段になる。

しかもこの評価シートがもらえるということは、多くの場合そのレーベルの編集さんが作品を読んで評価をくれたということ。

大抵の新人賞では、膨大な作品を処理する必要がある一次選考は下読みに任せ、作品数の少なくなる二次選考以降は編集さんが目を通しているっぽい。

だから、その評価には一定の信頼が置ける。

というか、まさにその新人賞で選考する人の意見だから、そこで指摘された問題点を放置していてはそのレーベルで受賞できないだろう。

評価シートでは、「この点がこうであれば次の選考に通せた」という点を書いてくれる。

新人賞受賞を目指すにはうってつけの処方箋。

ただ、多くの新人賞で一次を突破しないともらえないのが難点だが。

これから初投稿を考える人は、全応募作に評価シートを送ってくれるところを調べて投稿するといいかもしれない。


何はともあれ評価シートをもらうのは嬉しい

 


俺の場合はまだ一回しか評価シートをもらったことが無いけど、評価シートが届いた時はとても嬉しかったのを覚えてる。

「自分以外の誰かが自分の作品を読んでくれて、しっかり評価してもらえる」それ自体がとても嬉しいんだよな。

我ながらちっちゃい奴だと思うが。


ともあれ、俺は8月に落選したGAと電撃の二つが評価シート待ち状態。

送られてきたらそれを基に小説の書き方を見直したいと思う。

作品がうまいこと改稿できそうだったら、どこか別の場所に送ってみるのもいいかもしれない。


それではまた。